学年一のモテ男子は天然優等生ちゃんを落としたい

「え、えっと……成海愛咲、です。愛に咲くって書いて、あいらです……」

や、やっぱり誰に対しても、自己紹介って慣れないな……。

「へぇ、愛咲……見た目だけじゃなくて、名前も可愛いんだね」

「──か、かわっ……!?」

……あぁもう私ってば、何でこんな、如月くんの決まり文句みたいな台詞で照れてるの……!

「ふむふむ……成海、愛咲……よし!じゃあなるちゃんだ!」

……えっ、いきなりあだ名?

しかもそれ絶対苗字から取ってるよね……下の名前聞いてきた意味、何……!?

「あ、あの……いきなりあだ名、なんですか……?しかもそれ、名前あんまり関係……」

「いーからいーから!それに可愛いでしょ?なるちゃんって」

「可愛い……かどうかは置いといて、そんな風に呼ぶ人いませんよ……!」

私が必死に抗議していると、如月くんの雰囲気が少しだけ変わったような気がした。

いつも浮かべてる、いわゆる"王子様スマイル"じゃなくって、こう、ちょっぴり意地悪な人が浮かべる笑み……みたいな感じ。

「ねぇなるちゃん」

「なっ、何でしょう……?」

「俺以外のやつ、なるちゃんって呼ばないんでしょ?」

「は、はい……。そもそも私、あだ名付けられたことないです……」

如月くんがどうして私の呼び方に固執するのか不思議に思っていると、如月くんはいつもとまるで違う声で「へぇ」と呟いた。