それから私たちは、薪のオーブンに火を起こして、二人でディナーの準備をした。

 ローストビーフとボウルいっぱいのサラダと、暖かなスープと小麦が香るパン。 
 私たちは深い赤紫のワインを互いのグラスに注いで、何度も乾杯した。

 それから私たちは、二人でシャワールームに入ってお互いの身体を清めて、そして愛し合った。

 シャワールームで、リビングで、ベッドで、悠介さんは私を激しく愛してくれた。
 何度も気を失いかけながら、私はひたすら、彼の愛を受け続けた。

 彼の身体の隅々、輪郭や感触の全て、息遣いや小さな言葉の欠片(かけら)に至るまで、この命に刻み付けたかった。

 細長い声を漏らしながら、彼に愛され続ける私の耳の奥で、『アヴェ・マリア』の旋律がいつまでもリフレインしていた。