黒い龍は小さな華を溺愛する。


中に入ると、すでに人が集まっていた。

バイクのエンジン音、笑い声、煙草の匂い。

見るからに怖そうな人たちが沢山いる。


「おい、秋元さんがきたぞ!」


誰かの声で、騒がしかった声が一斉に静まり返る。


私は秋元に手首を引っ張られ、中心部へ向かった。


「今日は紹介したい奴がいる」


そう言って、私の肩を掴んで前に突き出した。

無数の視線が、値踏みするように私を舐めまわす。


「俺の女、沙羅だ。こいつには誰も触らせねぇ、指一本でも触れてみろ、首が飛ぶぞ」


空気がざわついた。

私は蛇に睨まれた蛙のように、恐怖で身動きが取れないでいた。


「で、こっちが今回手を組むことになった……」


そう言って秋元が顎で示した先には……。

見覚えのある顔がいた。


え……あの人って、神楽の……!


心臓が嫌な音を立てた。


「嘘……どうして……」


だって、神楽のリーダーは常盤くんと仲良いんじゃ……


この前DRAGONKINGのメンバーと一緒に楽しそうに飲んでいたのに。