黒い龍は小さな華を溺愛する。


その後すぐに私に気付いてくれて、

「沙羅ちゃん、おはよー」

と手を上げてくれた。


「紫藤くんも今きたの?」


「え?あぁ……うん」


ハッキリしない返事に違和感を覚えたけど、聞いてほしくなさそうだったから聞かないことにした。

もしかしたら……瑠亜さんと会ってたのかな。

三人で会って、夜遅くまで遊んでたのかな。

色んな妄想をしてしまう。

それを望んだのは私なのに。


「ねぇ沙羅ちゃん」


「ん?」


「夕晴から別れたって聞いたけど……その後平気なの?」


「うん……この前は大泣きしてごめんね、恥ずかしいところ見られちゃったな」


「そんなの気にしないでいいよ。それより、無理してない?大丈夫?」


紫藤くんは、私が別れる本当の理由も話さないのに、こうやって気遣ってくれる。


「平気だよっ」


持っていた教科書とペンケースをぎゅっと握りしめた。