黒い龍は小さな華を溺愛する。



チャイムの音が、やけに遠く聞こえる。

廊下はいつも通りで、笑い声も足音も、何一つ変わらないのに。

私だけが、世界から浮いてるみたいだった。

昨夜、秋元からきたメールを読み返す。


〝勘違いするなよ、その跡が消えた頃また呼び出す。お前は俺の女だ〟


一昨日、秋元にキスはされたけど他は無傷で帰れた。

だけど……それは常盤くんのおかげであって。

このキスマークの跡が消えてしまえば、本当に覚悟を決めなきゃいけないんだ。

あの場所で……。

考えただけで身震いしてしまう。

〝金曜20時に集会がある。逃げたらどうなるかわかってるよな〟


Demonの集会ってどんな感じなんだろう。

常盤くんのチームの集会ですら1回しか行ったことないのに。

考えると怖くて心拍数が上がる。

スマホを伏せて、深く息を吐いた。


大丈夫。もう誰にも頼らない。

私一人で解決するんだ。