黒い龍は小さな華を溺愛する。


「プレゼント持って行っても無視されるし、集会にも来るなって言われるし」

――プレゼントって……
前に紫藤くんが言ってた。鳳凰の前で待ち伏せされたりプレゼントや手紙がポストに入ってるって。
まさか……。

「私はね、夕晴のこと子供の頃から見てた。すぐ近所に住んでたし、夕晴がお母さんの事でいじめられて、『大丈夫』って言いながら、目を真っ赤にしてたのも知ってる」

心臓が嫌な音を立てる。

そんな小さなころから……。

「誰にも言わなかったよ。『男が母親守るなんて当たり前だろ』って、笑ってたから……でもね、帰り道で見たんだ。夕晴んちのアパートの前で立ち止まって中々家に入らなかったこと」


……知らない。

常盤くんの知らない過去をどんどん言われて頭が追い付かなくなる。

「私、何度も言ったんだ。『無理しなくていい』って」

「……」

「でもあんたの前ではどう?いつも守られてばかりなんじゃないの?」