黒い龍は小さな華を溺愛する。


「そんなことないよ!常盤くんの中学の同級生でしょ!?」

「まぁ……そうだけど」

「気にしないで!早くいこ!」

常盤くんの手を引っ張ってカクレクマノミの水槽へ向かった。

……本当は私の方が気にしちゃってる。

さっきのあの子の目つきが頭から離れない。

顔に出てないといいんだけど。

その後ペンギンの餌やり前にトイレへ向かうと、さっきの女の子たちが手を洗っていた。

うわ……タイミングが悪い。

気付かれないようにそっと後ろを通ろうとしたら。

「ねぇ。あんた夕晴の彼女?」

強い口調に思わず肩が跳ねる。

「ちょっと瑠亜(るあ)!余計なこと言わない方が……」

もう一人の女の子がその子を止めようとしていた。

さっき睨んでいた子は〝瑠亜〟っていうんだ。

「私、ずっと前から夕晴のこと好きだったの。急に女ができたって聞いてさ」


やっぱり……
そうだったんだ。
あの視線はそんな気がしてた。