黒い龍は小さな華を溺愛する。


そう思った、その時だった。


「え!?夕晴じゃん!」


振り向くと、同年代くらいの女子2人が驚いた顔をしてこっちを見てきた。


常盤くんの方を見ると、再び前を向いて顔をしかめていた。

しかし二人の女子は

「ひさしぶりぃ!卒業してから初じゃないー!?」

と、近づいてくる。


一方的に話し始めて聞いていると、どうやら中学時代の同級生らしい。

常盤くんも始めの嫌そうな顔が消えていて、普通に話し出す。

……さっきのは見間違いだったのかな。

その時、片方の女子の視線を感じた。

え……なに?

私を値踏みするような視線に、意味のわからない冷たい感覚。


胸の奥がぎゅっと縮んだ。

なんだろう、この子の目つき……どこかで。

ようやくその子たちと分かれ、常盤くんはため息をついた。

「ごめん」

「え!?」

「初っ端から胸糞わりぃよな」