翌日。
二人目のターゲットの、細木南(ほそぎみなみ)さんに楓が接近する。
年齢は、楓が言うに、多分、三十代半ばくらいで、
勤め先はM食品で、営業部三課の課長をしているらしい。
「細木さん。
いつも帰りが0時近くて、自宅近くの✕✕✕っていう24時間やってるスーパーで、帰りに惣菜やお弁当を買って帰る毎日だって、
前に言ってたな。
確か、Z駅に住んでるって話してた。
あそこの辺り家賃高いですよね?って、俺が話したの覚えてる」
楓のその言葉を参考に、今夜は、その細木南さんをターゲットに、
Z駅の✕✕✕というスーパーの近くで、
楓と二人、細木南さんが現れるのを待つ。
「あ、細木さん!」
楓の言葉に、その女性に目を向ける。
見るからに、キャリアウーマンって感じの女性で、
昔、私が新卒で就職した会社で、私を虐めて来たお局にどことなく、雰囲気が似ていた。
そして、なんだか、自分が無くしたものを持っていて、彼女が眩しく見えた。
私もあのまま結婚なんてせず、会社を辞め無ければ、今は細木南さんのように、それなりにキャリアを積んでいたのだろうか?
結婚しても、仕事を辞め無ければ…。
妊娠も、しなければ…。
無くしたものだけじゃなく、得たものも沢山あるのに、
なんだか、今の私は満たされていないのか、
細木南さんを見て、卑屈になってしまう。
それもこれも、お金がないのが、いけないんだ。
細木南さんの跡を追うように、そのスーパーに入って行った、楓。
30分程して、楓は細木南さんと仲良さそうにそのスーパーから出て来た。
スーパーの有料のレジ袋を、楓が持っていて、
細木南さんはそんな楓に寄り添うように歩いている。
昨日の近藤日和さんといい、今日の細木南さん。
楓が昔、凄く遊んでいたのは、楓の友達が私の前でポロっと口を滑らせて、それで知っていたのだけど。
実際、こうやってそんな楓の姿を目の当たりにして、
それは本当だったんだな、と思ってしまった。
なんだか、夫が知らない人みたいに見える。
二人目のターゲットの、細木南(ほそぎみなみ)さんに楓が接近する。
年齢は、楓が言うに、多分、三十代半ばくらいで、
勤め先はM食品で、営業部三課の課長をしているらしい。
「細木さん。
いつも帰りが0時近くて、自宅近くの✕✕✕っていう24時間やってるスーパーで、帰りに惣菜やお弁当を買って帰る毎日だって、
前に言ってたな。
確か、Z駅に住んでるって話してた。
あそこの辺り家賃高いですよね?って、俺が話したの覚えてる」
楓のその言葉を参考に、今夜は、その細木南さんをターゲットに、
Z駅の✕✕✕というスーパーの近くで、
楓と二人、細木南さんが現れるのを待つ。
「あ、細木さん!」
楓の言葉に、その女性に目を向ける。
見るからに、キャリアウーマンって感じの女性で、
昔、私が新卒で就職した会社で、私を虐めて来たお局にどことなく、雰囲気が似ていた。
そして、なんだか、自分が無くしたものを持っていて、彼女が眩しく見えた。
私もあのまま結婚なんてせず、会社を辞め無ければ、今は細木南さんのように、それなりにキャリアを積んでいたのだろうか?
結婚しても、仕事を辞め無ければ…。
妊娠も、しなければ…。
無くしたものだけじゃなく、得たものも沢山あるのに、
なんだか、今の私は満たされていないのか、
細木南さんを見て、卑屈になってしまう。
それもこれも、お金がないのが、いけないんだ。
細木南さんの跡を追うように、そのスーパーに入って行った、楓。
30分程して、楓は細木南さんと仲良さそうにそのスーパーから出て来た。
スーパーの有料のレジ袋を、楓が持っていて、
細木南さんはそんな楓に寄り添うように歩いている。
昨日の近藤日和さんといい、今日の細木南さん。
楓が昔、凄く遊んでいたのは、楓の友達が私の前でポロっと口を滑らせて、それで知っていたのだけど。
実際、こうやってそんな楓の姿を目の当たりにして、
それは本当だったんだな、と思ってしまった。
なんだか、夫が知らない人みたいに見える。



