「私、中村さんを訴えようと思ってます。
お酒を飲まされ、酔った私をホテルに連れ込み、乱暴されたって。
中村さんの仕事場にも、勿論言います。
お客に手を出して…。いえ、お客をレイプする美容師なんだって」
「訴えるのも、お店に言うのも…。
それは、辞めて下さい!
お願いします!
なんでも、しますから!」
そう、必死になる私を見て、雪村弥生さんは笑っている。
何故、笑っているの?
「なら、慰謝料として私に500万円払うか。
それとも、あなたと中村楓さんは離婚して、彼を私にくれるか。
どうします?」
そう、私を見る雪村弥生さんは、不敵に笑う。
その、若さゆえの強さに、圧倒されそうになる。
この子は、本当は私の夫の楓が好きで、
私から、本気で楓を奪う気なのだろう。
どんな手を使っても。
「じゃあ―――」
私はその二択の選択。
その答えを、目の前の彼女に告げた。
(終わり)



