2人とも、1500と800どちらも地区予選に行けることになった。
再来週の総体では。
またまた、2位以内に入れと言われて。
少しプレッシャー気味だった。
午前一発目の1500決勝は。
3位の位置で着いていたけど、ラスト1周で先頭がスパートをかけた。
私はもう着いていけない。
そう思った。
その時、応援の声も全て聞こえなくなって。
自分が見てる景色が変わった。
『ファイト!』
そう鮮明に聞こえたのは、声だけでわかる。煌くんだった。
そして、煌くんがみている景色なのか、自分が走っている姿が少し上の角度から見える。
私はゾーンに入ったのだろうか。
さっきまで無理だと。足が動かないと思っていたのに、もう体が軽い。
いける。そう思った。

