今度は、私がスタート地点に並ぶ時。
煌くんや煌くんのお母さんは私のタイムを書き換えた、あの先生と話していた。
通り過ぎようとした時だった。
煌くんはちらっと見るなり、私に気づいて。
普通に話していたのに。
眩しい笑顔を見せると、一礼して
「おはようございます!」
って言った。
だけど、今までに挨拶なんてしたこともなく。
私に向けてなきがしなくて。
無視した形になってしまった。
思わず、後ろを振り返ったからね?
おはようございますの前に、犬飼先輩!とかつけて欲しかったよ。
だけど、そのおかげで私は頑張れた。
私が煌くんを応援したあたりで、煌くんも私を応援してくれた。
多分、私の応援はちゃんと煌くんに聞こえていたんだろうね。
そして、知らなかったけど。
煌くんの腕時計の色も変わっていた。
黒と赤だったのに、黒と水色に変わっていた。
話したことないのに、私の好きな色知ってたのかな?

