お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意

「今必死に優里を口説いても、二年前あっさり親父の言いなりになって優里に別れを告げたんだから、今の俺は説得力ゼロだよな」

私はこれ以上平常心でいられなかった。

「お願い、東京へ戻って、もう私とのことは忘れて」

私はもう涙を堪えることが出来なかった。

この涙を陸はどう受け止めたのか、分からなかったが、項垂れた私に陸は言葉を発した。

「分かったよ、優里。俺は社長として頑張るよ、優里のことは忘れて東京へ戻るよ」

陸はそう私に告げて店を後にした。

もう、陸とはこれでおしまいにしなくちゃ。

陸があっさりと引き下がって、二人の関係は終わりかと思えた。

私は北海道のおばさんの店で引き続き働かせて貰った。

拓さんは私と陸のことをおばさんから聞いて、私を慰めてくれた。

「まあ、なんだ、人生色々あるよな、やっぱり、優里ちゃんは俺のカミさんになる運命だったってことよ」

「拓さん、ありがとうね」

「えっ、それじゃあ、俺のプロポーズ受けてくれるのか」