お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意

「彼に本当のことは言えないし、どうすればいいんだろうねえ」

「私を諦めてもらうしかないですよね」

おばさんと話をしていると、店のガラス戸がノックされて陸が現れた。

「失礼します、昼間は営業中に失礼致しました」

「大丈夫だよ、そこに座って、私も二人を見届けさせてもらうよ」

「はい」

陸はおばさんに挨拶すると、私に向かって話を始めた。

「優里、理由を聞かせてくれないか」

私はなんて言えばいいか迷っていた。

そして意を決して話始めた。

「陸の会社の会長に呼ばれたの」

「えっ、親父に」

「そう、会長は私と陸の付き合いを認められないって、陸はこれから城之内建設を守っていかなければいけないから、結婚相手は陸を支えていける取引先のお嬢さんを考えているって」

「なんだよ、それ」

「仕方ないよ、それが世の通りってことだよ」

「それなら、俺は社長を辞任するから」

「何言ってるの、そんなこと出来る訳ないでしょ、社員を路頭に迷わす気なの?」