お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意

「分かりました、八時半に窺います」

陸は店を後にした。

「ほらほら、仕事、仕事」

おばさんは悩んでいる私に声をかけてくれた。

店を八時に閉めて、おばさんは私に尋ねた。

「八時半に彼がくるから手短に事の事情を話しておくれ」

私は意を決しておばさんに事情を話し始めた。

「私と陸は二年前まで結婚を約束していたんです、ところが急に別れを切り出されて、私と陸は別れました、二年後私の働いている会社の御曹司である陸はお父様である社長が病に倒れて社長就任する事になって、再会したんです」

「そうな過去があったのかい、またよりを戻したいと言ってきたんだね」

「違うんです」

「違う？」

「二年後、陸が社長として戻ってきた時、私を覚えていませんでした」

「どう言う事だい」

「私と付き合って結婚をしようと思っていた事、二年前別れを切り出した事、全て覚えていなかったんです」

おばさんは驚きの表情を見せた。