お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意

五年前に奥さんを亡くし、子供にも恵まれず、一人暮らしをしているため、毎日店で食事をしている。

「優里ちゃん、俺のカミさんになれよ」

「ありがとう、でも私結婚はしない主義なの」

「なんでだよ」

「なんでも、それに拓さん浮気しそうなんだもん」

「おいおい、それは見かけだろう、俺はこう見えても一途だぜ」

「ちょっと拓さん、うちの娘を誘惑しないでね」

「おばちゃんまで、俺は本気だよ」

そこへ一人の男性が入ってきた。

「いらっしゃ……」

私は固まった、店の入り口に立っていたのは陸だった。

「陸」

「優里、探したよ、やっと見つけた」

そこに割って入ってきたのは拓さんだった。

「お客さん、突っ立ってないで座れよ」

拓さんはそう言って陸を座るように促した。

陸は私をじっと見つめていたが、入り口近くの席に座った。

私は陸のテーブルに水を運び「ご注文は何になさいますか」と尋ねた。

「お薦めは何かな」

「かにクリームコロッケ定食がうちの看板メニューです」