お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意

何があったと言うんだ、俺の記憶がないこと、親父が優里と名前で呼ぶこと、阿部が優里様と呼ぶことから想像すると、親父と優里はなんらかの関係がある、そして阿部はそのことを知っている、そして優里もその事情を知って俺の前から姿を消した、知らないのは俺だけと言うことか。

つまり、俺と優里は結婚出来ない関係と言うことか。

何も解決しないまま、悪戯に時は流れた。

俺は自分だけでは優里を見つけ出すことが出来ないと諦め、探偵を雇うことにした。

一週間後、雇い入れた探偵から連絡が入った。

「城之内様、ご依頼の森川優里さんが見つかりましたよ」

「本当か、どこにいるんだ」

「北海道です、定食屋梅澤で住み込みで働いています」

「北海道か、ご苦労様、約束の報酬は優里を確認したらすぐに振り込む」

「承知致しました、情報をスマホにお送り致します」

俺はすぐに北海道へ飛んだ。

その頃私は定食屋梅澤の看板娘として人気を博していた。

店の常連の工藤拓通称拓さん四十五歳は私を毎日口説いてくる。