(お互いに、こんなに強く想い合っているのに、その想いを互いにさえ見せず、胸に隠して生きていく……こんな形の片恋も、あるのね)
この恋の果てに何があるのか、シャーリィは知らない。
明らかに成就の難しい恋だ。それを続けていくことに、不安が無いと言えば嘘になる。
(だけど……私も、抗うわ。あなたが、そうするように……。私も、抗える限りは抗ってみせる。この、片恋の運命に……)
胸の中で固く誓いながら、シャーリィは近づいてくるウィレスの顔を見つめる。
自分がどれほどウィレスに愛されているかを、もうシャーリィは知っている。
たとえ、この恋が叶うことなく終わるとしても……その想いはこの先もずっと、シャーリィを守り、支えてくれるだろう。
(片恋姫になるのが怖いから、恋なんて、したくなかった。だけど……今はもう、怖くなんてない)
熱い吐息が頬をくすぐり、鼓動が知らず速くなる。
ただの恋する男女として触れ合えるのは、これが最初で最後かも知れない――だから、その感触も、温度も、息づかいも……何もかも全て、一秒も逃さず覚えておこう……そう決意して、シャーリィはそっと瞳を閉じた。
初めて重なるその唇を、抱き締めてくれるその腕を、全身全霊で味わうために。
彼の与えてくれる恋の感触を、胸の奥の一番大切な場所に、深く深く刻み込むために……。
【 End 】
