今日は時季外れの転校生が来るらしい。

何でも、海外に留学していて、その関係でこちらへの転校が遅くなったらしい。

本当は4月に来る予定だったらしい。

どんな人なんだろう。女のこと聞いているけど。

「は~い、みなさん、今日はこのクラスに新たな転校生が来てます、どうぞ!!」

一人の女性が入ってきた。

「こんにちは、今日から転校してきた八神 詩乃といいます。ヴァンパイアです。よろしくおねがいします」

「げっ・・・・」

隣の席の零夜から小さな嫌そうな悲鳴が聞こえてきた

「零夜!!!!!会いたかったのよ!!!!!」

彼女はいきなり周りを気にせず零夜に抱き着いた。

「やめろ、詩乃。くっつくな。俺には今は大事な大事な対がいるんだ、そういうのは迷惑だ」

はっきりと『大事な対』と言われて素直にうれしかった。

「何で??零夜は私のでしょ??昔そうやって言ったじゃない」

「それは昔の話だ。今はほかの女には全く興味ない。美鈴以外にいらない」

「何で?もう私に興味ないの?」

「全くない。消え失せろ。邪魔だ」

零夜は感情が全く見えない。
無でそう言い返した。

「美鈴、今日はもう早退しよう。先生、俺ら早退でよろしく」

「え?あ、はい」

「え?ちょっと、零夜??私のことは??」

「知らん、近寄るな!!!汚らわしい女、これ以上近づくと『犬飼グループ』は容赦しねぇぞ?」

「うっ・・・・・」

彼女は黙った。それ以上は何も言えないようだった。

「行くぞ、美鈴」

「あ、うん」

急いで教室から出てった。