裕太とあまり会話しなくなって3日が経過していた。


明日と明後日は文化祭があり、グラウンドは使えなくなるから、今日の野球部員たちはいっそう気合が入っているようだ。



いつもより熱の入った練習風景に、こちらも自然と応援する声が大きくなる。


ベンチに座っている1年生はほとんど立ち上がったまま応援しているし、声をからしている生徒もいる。


私もそれに負けじと声を上げた。


今試合をしている選手たちはここにいる私よりもずっとずっと大変な場所にいる。


緊張も、体力の消耗も比べ物にならない。


「裕太、頑張れ!」


バッドを握りしめて定位置へと向かう裕太へ声をかける。


裕太は一瞬嬉しそうな表情で振り向いたけれど、すぐにその笑顔は消えてしまった。


いつもなら右手を軽く上げて返事をしてくれるのに。


最近は話しかけても必要最低限の返事しかしてくれないし、一体どうしたんだろう?


メッセージでも連絡してみたのだけれど、そっちは未だに返事がきていない。


既読はついているのに見事に無視されていた。


どんな些細なメッセージでも返事をくれていた裕太には考えられないことだった。


その時ふいにマネージャーたちの言葉が蘇ってきた。


『ただの幼馴染』