桜雨、さようなら




 ___桜の咲く季節に降って___




 ___その花びらを散らす雨を、そう言うんだって。



 それはまだ、小学生だった頃の記憶。

 満開の桜の下で、あの日、天音が得意気に教えてくれた…雨の名前。


 確か、それは……。



 「……桜雨……」


 空からとめどなく落ちてくる水滴が当たり、桜の花びらが一枚…また、一枚と落ちていくその様は、まるで桜が涙を流しているようにも思えた。


 目頭が熱くなるのを感じ、ごしごしと手で擦る。


 「___なぁ、天音、聞いてるか?」



 そして空を見上げたまま、笑顔で告げたのは…寄せ書きにも記した、俺の言葉。