開けられた窓から優しい風が吹き、ポニーテールに結わえた髪を揺らして遊ぶ。
___あぁ、もうすぐお別れなんだなぁ。
もうすぐ卒業式。
そうしたらもう、会えなくなるんだね。
再び横目で、キミの方をちらり。
キミは自分の席に座り、何をする訳でもなく、ただ風で揺れ動く花を見つめていた。
空はすっかり夕焼けに染まり、部活をする生徒達の声だけが聞こえている。
見慣れた風景。
いつもの教室。
愛しいキミが、そこにいる。
「私、ね」
___気づけば、自然と口が動いていた。
「キミのことが好きだった、ん、だけど……あ…の……」