入学式はすごく、豪華だった。

「見てみて、湊様よー」

「かっこいいー」

「男子首席らしいよぉ。女子首席は誰だろう?」

そんな声が、聞こえた。

湊様って人が、今年の男子首席らしい。

スィンの生徒たちはみんな、裕福な家庭みたい。

中でも、やはり湊様が一番裕福みたい。

「きゃっ」

やばい、つまづいちゃった。

ドサッ  

「きゃー湊様、かっこいー」

い、一体何が起こっているの?

目の前にいるイケメンは誰?

「大丈夫そうでよかった。」

ホッとした顔のイケメン。

「あ、あああ、ありがとうございます!」

緊張して、声が震える。

「いやいや、当然のことをしただけだよ」

王子スマイルを見せてくれた彼。

その瞬間、私は彼のことが好きになってしまった。 

「あ、あの、よろしければ、名前聞いてもいいですか?」

まずは名前を聞くところからよね?

でも、みんなポカンと口を開けて私のことを見ている。

どうして?私変なこと言った?

「あー俺のこと知らない人っているんだ。」

彼はすごく驚いている。

「俺は東条湊。スィンの男子首席だ。お前は?」

こ、この人がみ、湊様?

「わ、私は美川蘭っ!私はスィンの女子首席ですっ!」

慌ててしまい、叫んでしまった…

「めちゃくちゃ可愛くね?今年の首席は美男美女なんだー!」

周りがざわつく。

「美川蘭。俺は、お前が嫌いだ。」

「へ?」

はい?今、なんて言いました?会ったばかりなのに嫌い?

私の恋は、一瞬にして潰されてしまった。