その時、椿季は、普通科の男子の滝川 南都(たきがわ なつ)に恋をした。

だけど、椿季にとってそれは意外なものだった…。

何故なら、普通科の男子っていつも騒がしかったし、すぐ人にちょっかいを出してくるから、正直、普通科の男子に恋をする日がくるとは思わなかったのだ。

同じクラスで、生徒会に入っていた寛子(ひろこ)に協力してもらい、南都のメールアドレスを聞く事に成功した椿季は、その日から南都にメールをした。

『実はわたし、普通科に好きな人がいるんだ…』

勇気を出して、そうメールをすると、

『そうなんだ!
俺で良かったら協力するよ』

そんなメールがきた。

あなたがわたしを好きになってくれればいいだけです…。

だけど、そんな事はさすがに言えない。