ほんのわずかな隙間に指を入れて鍵を確認してみようとするけれど、指先は届かない。


順番に番号を入力することができれば開くタイプの鍵なのに!


希望を与えておいて突き落とす。


そんな罠が巧妙にしかけられているみたいだ。


「誰か助けてくれ!」


するとタイセイが隙間から外へ向けて叫び始めたのだ。


外にはまだまだお客さんの姿があり、行き交っている。


「助けて!!」


私も同じように全力で叫んだ。


いくらにぎやかな遊園地内でも、近くを通れば誰かが気がつくはずだ。


そう期待していたのに……。


パンパンパンッ!


と、どこからか破裂音が聞こえてきて私とタイセイは目を見交わせた。


隙間から見える園内はすでに暗闇に包まれていて、音がすると同時に夜空が明るく照らし出された。