「……入り口はまだ確認してないよね」


「お化け屋敷の入り口か? でも鍵はかけたって言ってたよな」


「でも、自分たちではちゃんと確認してない」


こんなことをする連中の言葉を少しでも信用することはできなかった。


それに、自分自身で確認していないから希望も持っていた。


ただの無駄に終わってしまうかもしれないけれど、なにもせずに座り込んでいるよりもマシだ。


気分だって違う。


「わかった。それならちゃんと確認してみよう」


タイセイがよろよろと立ち上がる。


目の下にはクマができていて今にも倒れてしまいそうだ。


だけどそれは私も同じだった。


さっきからまぶたが重たくてたまらない。


泣いてしまった分だけ体力も消耗していた。


それでも私達は無言で歩き出した。


今はそうするしか道がないから……。