グリーンの服にはコノミの血がこびりついていて、カマの先端は更に汚れを濃くしている。


「逃げろ!!」


叫んだのはミチオだ。


私はその言葉に弾かれたように駆け出した。


カマ男に捕まればあのカマで殺される。


そしてお化け屋敷の部屋に閉じ込められてしまう!!


恐怖心で体の重たさなんて気にならなくなっていた。


必死で走ってカマ男から逃げる。


幸いカマ男は体が大きくて動きが鈍い。


このまま逃げ切ることができる!


希望でつい気が緩んでしまったのがいけなかった。


私はなにもない通路で派手にこけてしまったのだ。


「キャア!」


思わず悲鳴を上げる。


咄嗟に前に出した両手がズキズキと痛む。