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部屋の中にいる人達が全員本物の幽霊なら、この遊園地は人を殺して幽霊を見世物にしていることになる。


考えただけで背筋が寒くなっていく。


コノミとカズトモを助けることができたとしても、それはもう幽霊なんだ。


それでもか細い声で助けを求めるコノミの姿を思い出すとほっとくわけにはいかなかった。


早く事務所を見つけ出して、2人を助けなきゃ!


気持ちが先走り少し早足になったときだった。


後方から物音が聞こえてきて私達3人は立ち止まった。


ここにいるのは私達の他に部屋に入れられている幽霊。


そしてカマ男や遊園地の関係者たちだけのはずだ。


私はゴクリと唾を飲み込んで闇の奥へと視線を向けた。


なにか見えるよりも先にタイセイが叫んでいた。


「カマ男だ!」


そう言うとほぼ同時に私にもカマ男の姿が見えた。