あの男は誰だったのか。


カズトモは無事なのか。


なにもわからないままだ。


「カズトモはこの遊園地の関係者で、だからチケットを取ることができたのかも」


私は嫌な考えを振り払うように言った。


カズトモ自身が関係者じゃなくても、少なくても関係者の家族とか、知り合いなのかも。


だから簡単にチケットが手に入り、特別なスタンプを押してもらうことができて、順番待ちをする必要もなかった。


そう思ってみればそこまで無理な解釈ではない気がする。


「その可能性もあるよな」


タイセイが何度も頷く。


「とにかく、入り口まで戻ろう。それから考えるんだ」


タイセイはそういい、重たい体を引きずるようにして歩き出したのだった。