「本当だよな。俺も夢を見てたみたいだ」


ミチオは頷き、コノミの手を握りしめる。


大切なものをしっかりと噛みしめるように、強く。


「カズトモはどうしたの?」


コノミの質問にタイセイが「入院してる」と短く答えた。


カズトモの体にも大きな異常は見られなかったものの、まだ意識は戻っていない。


魂がこの遊園地にとどまっているからだ。


「結局、全員を助けることは無理だったんだよね……」


私の呟いた声は、突然のスマホの着信音によってかき消された。


それはタイセイの電話だった。


「はい」


慌てて電話に出たタイセイは険しい表情をしている。


なにかよくない連絡が来たのだろうかと、不安になってコノミと目を見交わせた。


「え、本当ですか!?」


途端にタイセイの表情が明るくなった。


どうしたんだろう?


そう思っていたとき、強い風が吹いて思わず目を細めた。