だけどずっと私の隣を歩いてくれていた。


ともすれば最後尾になってしまうかもしれないから、気にかけてくれていたんだと思う。


「ほんと、優しいんだから」


思い出してふと笑みが浮かんでくる。


ずっとずっと幸せな記憶の中に沈んでいたい気持ちだ。


だけど現実は否応なしに私の前に突如出現する。


通路を曲がった瞬間、カマ男とカマ男に馬乗りになっている魂を見つけたのだ。


ハッと息を飲んで足を止めた。


魂はコノミと同じように自我を失っているようで、目を見開き口を開いて相手を襲っている。


その両手はカマ男の首にかかっていた。


ギリギリと首を締め上げられてカマ男の顔が真っ赤になっている。


その迫力にたじろいだとき、魂が着ている服に見覚えがあることに気がついた。


大きな体格で、てっきり大人だと思っていたが違う。


これはミチオの魂だ!