コノミは叫ぶように言うと両手で顔をおおって泣き出した。


「私、あのひとたちに覆いかぶさって羽交い締めにしたの。やめてくれ! 助けてくれ! って叫んでいたけれど、やめなかった!」


「コノミ……」


自我を取り戻したのに、どうしてその時のことを覚えているんだろう。


コノミはずっとこの日のことを忘れないままなんだろうか。


そう思うと胸が痛かった。


だけど今はコノミの痛みを分かち合うような時間すらない。


私は自分を鬼にして、コノミから身を離した。


「辛かったね。だけど、今は私の話を聞いてほしい」


真っ直ぐにコノミを見てそう言うと、コノミは手の甲で涙ぬぐった。


「私とタイセイはコノミたちの体を見つけたの。真っ白なベッドのある部屋」


そう言うとコノミは目を見開く。


「それ、私が連れて行かれた部屋!」


「そうだよ。その部屋に行けばコノミの体があるの。体に戻ることができれば、きっとここから脱出できる!」


「ミチオとカズトモは?」