薄暗い通路が一気に明るく照らし出されて、それだけで心が落ち着いていく。


しかし……。


ここまで用意周到な遊園地が、簡単に外部と連絡を取らせてくれるわけがなかったんだ。


スマホ画面を確認した瞬間、希望はまた奪われてしまった。


「ダメ。圏外になってる」


「嘘だろ」


お化け屋敷に入る前までは確かに使えていたスマホが、この中では使えなくなっている。


きっと妨害電波が出ているんだろう。


「タイセイのスマホは?」


「俺のはもうどこかに落としたよ」


ポケットの中をさぐって左右に首をふる。


今まで散々逃げたり隠れたりしてきたから、どこで落としてしまったのかも検討がつかない。


見つかったとしても、きっと使い物にはならなかっただろう。