カマ男や作業服の男の姿は通路では見えなくなっていた。


きっと全員幽霊に足止めを食らっているのだろう。


時々どこからか悲鳴が聞こえてくるから、死んではいないようだ。


「出口、どこにあるんだろう」


あれからまた出口を探しているが、やはりそれらしいドアは見つけることができていなかった。


壁に触れながら歩いていると、途端にタイセイが体のバランスを崩して倒れそうになった。


慌てて手を伸ばして体を支える。


「大丈夫!?」


「あぁ……平気だ」


しかし呼吸は荒く、さっきからずっと汗を流している。


だきとめた体はとても熱い。


「もしかして、熱が出てるの?」


聞きながらタイセイの額に自分の手を当てて確認する。


額は少し触れるだけでわかるほど熱を帯びていた。


「怪我のせいで熱が出てきたんだね。少し休憩しよう」