どうにか痛みを最小限にやするために必死で頭部を守る。


ギュッと目を閉じて訪れる痛みを待ったが、いつまで経っても痛みは襲ってこなかった。


そっと目を開けて後方を確認してみると、そこには一体の幽霊に体を押さえられている男の姿があった。


その幽霊は部屋の中で暴れまわっていた、あの幽霊だったのだ。


男は「ひっひっ」と小さく悲鳴を上げながら青ざめていく。


私はそのスキに立ち上がった。


タイセイも駆け寄ってくる。


「やめろ……助けてくれ」


さっきまで豪快に笑っていた男が涙目になって助けを求める。


その姿は哀れだった。