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 それから数日が過ぎ、狼栄のコーチに話を聞くため、莉愛は狼栄大学高等学校へとやって来ていた。狼栄の門をくぐり抜け、体育館を目指す莉愛の姿に、男子生徒達の視線が釘付けとなる。

「ヒュー。誰あれ?モデル?手足長っ」

「すっげー、美人」

「あれって、犬崎の制服?」

 それは莉愛を見た生徒達の声なのだが、こうなった理由が遡ること一週間前、大地が犬崎に謝りに来た次の日の事だった。