「ピッピーー!!」
気づけば、第一セットは取ったものの、第二セット、第三セットと続けて取られ、狼栄大学高等学校に負けた。王者の貫禄を見せつけられた形となった。それでも犬崎高等学校にとって、ものすごく有意義な試合だった事は言うまでもない。
力を使い果たした犬崎の選手達が、莉愛の元へと帰って来る。
「みんな、お疲れ様。すごいよ。よく頑張った」
莉愛の言葉に、みんなが莉愛に向かって右手の拳を突き出してきた。莉愛も同じように、莉愛も右手の拳を突き出した。
うん。
みんな良く頑張った。
試合の余韻に浸っていると、狼栄のエース大崎大地が近づいてきた。
「おい!」
?
何だろう?
「お前コートに立て」
「はぁ?」
大地に促され、莉愛はコートに立った。すると、大地がジャンプサーブを打とうとするのが見えた。
えっ?
何……私にレシーブで取れってこと?


