そこからは狼栄も気を引き締めたのか、練習試合とは思えないような試合が続いた。スーパーエース大崎大地のスパイクが床にたたきつけられ、身動きの出来ない犬崎の選手達。それでも王者に食い下がる犬崎高校。点を取られても取り返し、第一セットを取ったのはなんと、犬崎高等学校だった。
「「「よっしゃーー!!」」」
犬崎全員の声が重なり、体育館に響き渡る。
やった……。
王者から第一セットもぎ取った。汗だくの選手権達が帰って来る。
「みんな、すごいよ。良くやった。王者から第一セット取ったじゃない」
珍しく興奮気味の莉愛を見つめ、拓真達も興奮していた。
「俺ら頑張ったよな。練習の成果、出てるよな?」
拓真も興奮気味だ。
今日まで負けっぱなしだったのだ。興奮するに決まっている。
「みんな、ここから引き締めていくわよ。向こうも本気出してくるから、食い下がって。とにかく繋げる。いい?」
「「「おぉーー!!」」」


