え? なんで急にそんなこと言うの……?

「えっと……はい」

 言われたことがなんとなく理解できなくて、返事をしてしまった。

「それと和菓子、これからも菜々海に一番最初に食べさせてやるからな」

「……え?」

「お前が、最初の試食者だ」

「……は、はい!」

 なんかよく分からないけど、そういうことにしてもらおうかな。
 さっきから悠月さんの様子は明らかにおかしい気がするけど、疲れているだけかもしれないし。
 私が変なこと言ってしまったような気がしないでもないけど……。

「引き止めて悪かったな」

「い、いえ!……じゃあ、戻りますね」

 私はそのまま掃除を再開し、掃除を終えるとそのまま自宅へと帰宅した。

「にしても……悠月さん、なんか変だったよね?」

 あんな悠月さん、初めて見た気がする。なんていうか……。
 まるで独占欲?みたいな感じにも聞こえたよう気もするし……。

「いやいや!気のせいよ!気のせい!」
  
 そう、あれは気のせいよ。 悠月さんみたいなイケメンボイスな和菓子職人が、私みたいな子供を好きになる訳ないもん……。
 悠月さんにはもっと大人な女性がお似合いだもんね……。