王室御用達の靴屋は彼女の足元にひざまづく

「さ、トモの服をやっつけてしまおう。トモ、サイズは変わってないだろうな?」
「そうだな、首周りと腕は太くなったか」

 腕に針山、首にはメジャー、腰のベルトに裁ちばさみを挟んでいるルネが智恭の胸を拳でつつく。

「胸囲もだろ。そのくせウエストは細いとか! まったく忙しいくせにいつ鍛えてるんだ」

 ぼうっと聞いていたら、ルネにウインクされた。

「晴恵。俺がトモを借りてる間、エステを受けてのんびりしておいで」

 のんびり出来るわけないでしょうっ!
 晴恵は心の中で絶叫していた。

 女性陣は二階で、男性陣は一階で支度が行われる。

 フェイスパックをされたあとは全身パック。
 終わると今度は、エステ道具からメイク道具に持ち替えたスタッフが待ち構えている。
 何十色もありそうなカラーパレットには青から緑から紫まで。
 どんな風な顔にされてしまうのか。
 怯えた晴恵が後退るも、満面の笑みで詰め寄られた。

「あのっ、私の結婚式ではなくて妹のでしてっ」

 花嫁以上に目立ってはいけない。

「ダイジョブ! ワタシ、ナチュラルメイクね!」