王室御用達の靴屋は彼女の足元にひざまづく

 晴恵は頭の先からつま先まで確認される。中でも、恋人が作ってくれて履いてきたパンプスを穴のあくほど観察された。

「オーケイ、この靴に合わせたドレスだね? トモ、あいかわらずいい仕事をしてるな!」

 ルネが合図をすると、スタッフが寄ってきた。

「肌に合わせて……」
「ここのカットは」

 智恭とルネがスケッチを見ながら相談している間に、巻いてある布地が何本も持ち込まれては晴恵の肩にかけられて肌映りを確認される。

「あの」
「動かないで!」

 檜山に話しかけようとしたらスタッフに厳しく言われ、晴恵は直立不動になった。
 
「シルクタフタでいいのがある」

 ルネが頷くと、履いている靴と寸分違わぬような色で染め上げられた布が持ち込まれた。

 晴天のような布が広げられ、針山を腕につけたスタッフにピン打ちされていく。
 あっというまにルネが描いたデザイン通りのドレスを晴恵は身につけていた。

「KIMONOの『タテヤムスビ』をカットに取り入れてみたんだ」