消えないで…僕の初恋




「答えづらい質問……
 しないでよ、渚くん……」


「ごめんごめん。
 
 でも僕は
 今の姫野さんの気持ちを
 聞きたいんだ」



それは……大好き。


18年の人生の中で
男の子を好きだと思ったのは
渚くんだけ。


渚くんの隣は
私の特等席にして欲しい。



伝えたい想いはたくさんある。

でも

そんな言葉だけじゃ
私の想いは
表現しきれない気がするんだ。



恥ずかしくて
うつむいたままの私。


窓際に立つ渚くんに
一歩、また一歩と
近づいてみる。


もうこれ以上は
渚くんに近づけない。


だって


渚くんの胸に
顔をうずめるなんて

恋愛初心者の私には
まだ無理だから。



でも、感じたいんだ。
渚くんの体温。


かすかでもいい。

触れ合う程度でもいいから。


指と指が揺れるだけなら
渚くんも許してくれるかな?