消えないで…僕の初恋



高校の入学式
私はものすごく寂しかった。


中学では友達ゼロ。

高校の入学式に
緊張するね~って
微笑み合う友達もいない。



新しい制服を着て
校門をくぐるところまでは
お母さんと一緒だったから
良かったけど

受付を済ませたら
生徒のみ教室って言われて
お母さんとは別行動に。


周りには
友達と笑い合う子達ばっかりだし


私だけ独りぼっちな気分で
メンタル沈むし


寂しさをごまかしながら
靴箱で上靴に履き替えた時

私の後ろから声がした。


「上靴…忘れちゃった……」って。


その男の子は青ざめていて

「どうしよう…どうしよう……」
って、オロオロしていて


その姿が
重なっちゃったんだ。


上靴を隠されて
靴箱の前で立ち尽くす
中学の時のみじめな自分と。



今思えば
上靴を忘れた渚くんと
イジメられていた私は全然違った。


でもあの時はなぜか
いてもたってもいられな
かったんだよね。


先生に声をかけるのも
ためらっちゃう
奥手な性格なのに

気づいたら
目に入った先生のところまで
駆け寄ってた。