自信のなさが
私に罪悪感を抱かせる。



「由奈、好きな子
 まだできないの?」


心配そうに私を見つめる
親友二人に
毎回、嘘をついているんだ。


「私今まで
 誰かを好きになったこと
 ないから」って。




なぜ嘘をついちゃうかと
言うとね……



男女問わず
クラスの人気者。


いやいや
その表現じゃ物足りないか。


学年も超えて
先生までも魅了する
この高校のアイドル・(なぎさ)くん。



そんな彼のことを
ブサイク顔の私が好きなんて
誰にもバレたくないんだ。



誰か一人にでも
身の程知らずって笑われたら

私、高校に来れなくなっちゃう。

引きこもり確定だよ。