固い意志を宿したような
彼の凛とした視線が
私の瞳に突き刺さっている。
これって夢じゃないよね?
リアルタイムで起きている
現実だよね?
わわわっどうしよう……
片思い中の王子様に
見つめられながら
告白されちゃった。
渚くんの気持ち
信じていいのかな?
「私で……いいの?」
「えっ?」
「だから
渚くんの彼女が私なんかで……」
「それって
僕と付き合ってくれるってこと?」
「うっ…………うん」
「田辺先生よりも
僕を選んでくれるってこと?」
「田辺先生のことは
なんとも思ってないってば」
「ほんと?」
「先生からの頼まれごとを
毎回、断れないだけだから」
「でもさっき
僕のことは友達として好きだって」
「ごめんないさい。
本音を聞かれちゃったのが
恥ずかしすぎて……
嘘つきました……」
「それって……」
「高校三年間
ずっと好きなの……
渚君のこと……」



