…………何と、私は和泉さんの膝枕で眠っていたらしい。
飛び起きた時落ちたのは和泉さんのカーディガン。眠ってしまった私に掛けてくれていたのだろう。
やってしまった……っ!
「すっ、すすすすみません……っ!私寝ちゃってたんですねっ……⁉︎しかも和泉さんの膝の上で……⁉︎」
「いや、最初は僕の肩にもたれてたんだけどね、体勢キツそうだったから倒させてもらったんだ。メガネも、寝づらそうだったから。勝手に外しちゃってこめんね」
そう言いながら和泉さんは私にメガネを手渡してくれた。
「いやいやいやこちらこそごめんなさいっ!」
「本当はもう少し寝かせてあげたかったんだけど、随分涼しくなって来ちゃったから風邪引くといけないと思って」
「というか、もっと早く起こしてくれても良かったですよ……っ!本当にごめんなさいっ!お尻とか、膝とか痛くないですか⁉︎」
メガネを掛けながら、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。この空の感じからして、私確実に1時間近くは寝てたよね⁉︎
うわー……!穴があったら入りたい……!
「全然平気。それなりに鍛えてるからね。だからそんなに謝らないで?むしろ僕は灯ちゃんの可愛い寝顔が眺められて、役得だったから」
「〜〜〜………っ!」
メガネをかけたことでクリアになった視界が、和泉さんのまるで悪戯が成功した少年のように笑った顔を捉えた。それに胸がどくんと高鳴る。
……うん、誰か今すぐ私が入れる穴を掘って……!



