「仕事ではまだまだ頼りないかもしれませんが、こういう時くらい私を頼って下さいね?この前みたいに。私、灯さんに頼られるの嬉しいんですから」

「……珠理ちゃん。ありがとう」

「……だから、次のデートの時は絶対教えて下さいね!」


ちょっとこそばゆくなりながらもお礼を言えば、珠理ちゃんも少し照れているのか耳を赤くしてそう言った後、ズズっ、と勢いよくほうじ茶を啜った。


「次のデート……。それが……、実は今日、なんだよね……」

「えっ⁉︎今日⁉︎」


そんな珠理ちゃんにぼそりとカミングアウトすれば、彼女は素っ頓狂な声を上げた。





ーー私がいつも通りのつもりでいてもいつも通りに見えなかった理由。


それは今日の仕事終わりに、あれ以来2度目となる和泉さんとのデートが待っているから。

朝から落ち着かない自覚はあった。
 

2度目の今日は一緒に食事をする予定で。

週1でランチは共にしていた訳だから、初回の休日1日デートよりもかなりハードルは低いはず。

なのに、ある意味私が初回よりも緊張しているのには訳があってーーーー。