こうなるともう彼女を誤魔化しきれないことは分かっているから、私は素直に連休中和泉さんとデートしたことを話した。


「……デっ、デート…………っ⁉︎」

「………うん」

「いいいいつですかっ⁉︎」

「みどりの日」

「どこに⁉︎」

「フラワーテラス前の緑地にピクニックに」

「ピ、ピクニック⁉︎そりゃまたイケオジ、なんて可愛らしいデートを………!」


あわわわわ、と興奮している珠理ちゃんが、今度は急にハッとした顔をした。


「……あっ、服!灯さん、デート服は⁉︎」

「服?事前に何を着ていけばいいか聞いてみたらカジュアルな服装でいいって言うから、パーカーにスカンツで……」

「えっ、聞いたんですか⁉︎イケオジに直接⁉︎」


珠理ちゃんがもともと大きな瞳をまん丸にして驚く。


「だってデートなんて今まで一度もしもしたことなかったんだもん。だからデート服なんて持ってないし、買うにしても行き先とか、おおまかなドレスコードっていうの?そういうの聞いてからの方が間違いないかなって。で、和泉さんが行き先は秘密だけどカジュアルな格好で大丈夫って言うから……」

「パーカーにスカンツにしたと……!じゃ、じゃあ髪型は⁉︎灯さんっ、まさか………っ!」 


さっきまで前のめりだった珠理ちゃんが少し後ろへ身体を引く。