「じゃあ早速ランチにしようか」


レジャーシートを広げた和泉さんが、にこにこしながらどうぞ、と自分の隣をぽんぽんと叩く。


「お、お邪魔します……」


少し距離を空けて隣へ座ると、和泉さんは紙袋から蓋付きのプラカップを取り出して渡してくれた。


「ありがとうございます」

「比呂くんのところの紅茶は茶葉にも拘ってるからね、美味しいよ」


私が和泉さんと同じでコーヒーより紅茶派、と以前話していたことを覚えていてくれたのだろう。

ミルクとガムシロップはお好みでどうぞ、と渡されながらそういう気遣いが本当さりげないなと感心してしまう。

それからナチュラルなブラウンのフードパックも2つ受け取って「開けてごらん?」と促されるままそれぞれ開けてみれば、そこにはゆで卵(程よく半熟)、生ハム、アボカドのサンドイッチに、イチゴとカスタード、生クリームが挟まれたフルーツサンドが2つずつ、種類別に綺麗に収まっていた。

何このサイコーの組み合わせ。