「……えっ⁉︎告白⁉︎3ヶ月のお試し⁉︎」


乾杯もそこそこに、私は2人に今日の昼間に至るまでの経緯を話すと、珠理ちゃんが目をまん丸にして素っ頓狂な声を上げた。


「あり得ないよね?やっぱり和泉さんは結婚詐欺師なんだよ。こんな女としての魅力が皆無の私が好きとか普通に考えておかしい。大体詐欺師が正体見破られて、はいそうですなんて素直に認める訳がないし!」


言いながら私は唐揚げを豪快に頬張る。


「……灯さん、告白して来たイケオジって、この人ですか?」


「……お前、フォローはないんか」


珠理ちゃんは隣の佐原くんからの心底呆れた視線を気にする風でもなく、私の向かいの席から徐に自分のスマホをズイっと突き出して来た。


「ああ、いいのいいの、事実だから」


もぐもぐしながらそれに顔を寄せて目を細め見てみれば、そこに映っているのは間違いなくあの和泉さん。


「そう!その人!」

「じゃあこの名刺本物ですよ!この人、本当に"spRING"の副社長です!だってこれ、"spRING"ホームページの副社長の挨拶ページですよ⁉︎」


珠理ちゃんが興奮してさらにこちらに身を乗り出した拍子に、カラン!と彼女の飲んでいるカシスオレンジの氷が大きく揺れた。